警察の腐敗と冷静で勇敢な男の戦い「レベルリッジ」スカッとしない反撃

出典:https://www.netflix.com/title/81157729

NETFLIXで何か面白い映画ないかなと作品を探していたところ、パッケージがよさそうだった「レベル・リッジ」を鑑賞しました。

アメリカの片田舎の警察の腐敗を描いた社会派アクション・スリラーです。

前提として知っておいたほうがいいことは、アメリカの警察組織は各自治体が独立で運営しているということ。地方の警察署では財政が破綻する例もあり、デトロイトの治安が悪化したのが有名な例です。

この映画では警察が資金不足を補うために、黒人や軽犯罪者など立場の弱い者から難癖付けて金品を押収し、私腹を肥やして組織的に腐敗している実態がありました。そんな警察の横暴に巻き込まれた一人の黒人・元海兵隊員の男が、町の腐敗との戦いに乗り出す物語。

レベル・リッジのあらすじ

音楽を聞きながら自転車をこいでいたテリーは、警察の呼びかけに気が付かず、強引に幅寄せしてきたパトカーと接触して倒れる。

横断歩道の信号無視を理由に手錠をかけられ、バッグの中にあった大金を麻薬取引で得た可能性があると言いがかりをつけられ押収された。テリーは従弟の保釈金をもって裁判所まで急いでいたところだったが、警察による不当な扱いを受けて、金を取り戻すために動き出す。

テリーの従弟はギャングに狙われていることから、刑務所に護送されるタイミングよりも早く保釈する必要があった。限られた時間で必要以上に騒ぎを起こさないよう、元海兵隊徒手格闘術で警察署から保釈金を取り返す。

しかし警察による町の腐敗は想像以上に及んでおり、テリーはさらなる試練に追い込まれ、再び警察との戦いが続いていく。

レベル・リッジの感想

タイトルにスカッとしないと書いてるのですが、まあ終始警察のくずっぷりが全快の映画です。そして実は最強の主人公が復讐に燃えて、腐った警察どもをバッサバッサ打倒してくのかと思いきやそうでもないですね。

あくまでも冷静に被害を最小限に、現実的かつ理性的な主人公が淡々と警察を相手取って、彼らの腐敗を暴こうと動いています。

正直アクション映画なら、主人公の反撃ターンはもっと爽快感ある展開にしてくれよと思ってしまうところ。

逆に言えばリアルな社会問題1に切り込んだ、社会派アクションのカテゴリがしっくりくる映画と言えるでしょう。

主演のアーロン・ピエールの演技はクールでめちゃくちゃ良かったですね。本当は強い軍人だったのに、理不尽に対して怒りを抑えている様子などよく表現されています。目力があって、宝石のような青い綺麗な瞳も相まってか、非常に印象的な俳優でした。

  1. 警察が不審に感じた場合、本作のような金品の取り上げは「民事没収」として認められている。しかし黒人への過剰な嫌疑や差別意識から、民事没収の制度的不公平性や巨大な権限をもった警察について、批判的な見方を示している。 ↩︎
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