「シェフ」キューバサンドが食べたくなる映画

出典:https://www.netflix.com/title/70297087

カフェで働いていたころメニューに「キューバサンド」があり、これがとても美味しくて人気でした。オーナーに参考レシピを聞いてみたら、映画「シェフ」を見て、あこがれて作ってみたとのこと。

キューバサンドを一躍有名にした映画で、「アイアンマン」シリーズのジョン・ファブローが製作・監督・脚本・主演の4役を務めたことでも話題。

一流レストランの総料理長だった男が、フードトラックで移動販売をしながらアメリカ横断をするハートフルコメディ。

シェフのあらすじ

ロサンゼルスの一流レストランで総料理長を勤めるカールは、有名なブロガーに料理を酷評され、オーナーともそりが合わず退職する。

息子と共に訪れたマイアミで食べたキューバサンドの美味しさに感動し、フードトラックで移動販売を始めることにした。

息子や料理仲間たちの力をかりながら、マイアミ、ニューオリンズ、ロサンゼルスへと旅を続けていく。

シェフの感想・見どころ

料理への強いこだわりとプライドゆえに、オーナーと対立して職場を去ったことが発端となっていました。

ただの口うるさい嫌なオーナーだと思いますが、彼の言うことも非常に的を射ています。「ストーンズのライブでサティスファクションを演らなかったら観客は満足するか?」

レストランに来る客がみんな評論家なわけでないし、10年以上の常連がいたり、安定したぶれない定番の味を求めている人が大半だろう。

普通の会社員として勤めていても、同様のジレンマに悩む人はいるでしょう。やりたいことと、求められていることのミスマッチ。創造的な仕事であるほど顕著に表れます。

料理人としてのプライドがあったカールは、最初はキッチンカーに批判的でしたが、料理で誰かを笑顔にすることを想像するようになると、彼の働き方は新たな一歩でした。

料理人としての誇り

フードトラックを始めてからは、彼の話題性やSNSでのマーケティングがはまったのもあり、順調に売り上げを伸ばして人気者となっていきます。

移動販売が始まってからは順調そのものですが、それは少なくとも彼が積み上げてきた料理人としての実力が下地にあってこそでしょう。

レストランで酷評したブロガーに対抗するため新メニューの研究に没頭する姿、移動販売で息子に常に最高品質を提供する重要性を説いたことなど、料理へのこだわりと自信がよく表れています。

彼が料理長であったころから中途半端な仕事をしていたら叶うことがなかったであろう、彼の熱意と信頼が周りを動かしました。

ちなみに、調理シーンはリアリティを求めて、ジョン・ファブローは演じる前に料理教室に通ったらしいです。

SNSの使い方

まだTwitterも黎明期だったころ。カールはSNSの有用性も怖さも何も知りませんでした。

有名ブロガーに料理を酷評され、彼と対決する形で新メニューの展開を宣言しますが、オーナーの意向により実現せずに世間からはカールが逃げ出したとされています。一連の騒動はSNSで話題になり、カールは一躍時の人となっています。

移動販売を始めてからも、息子が常に位置情報を使ってフードトラックの広報を担い、どこの町に行っても人気フードトラックとなりました。

SNSのせいで彼は再就職に困ったが、移動販売の自営においてはその話題性がプラスに作用しましたね。

家族とのつながり

カールがレストランで働いていたころは、仕事の忙しさや料理の研究から、父親として満足に息子の相手をすることができていませんでした。

それがフードトラックを始めたころから、自分のため、家族のため、お客さんが喜ぶため、荒々しかった彼の性格はどんどん丸くなっていきます。

頭を下げたくない人に真剣に交渉してトラックを手配してもらったり、仕事に忙殺される中で関係が希薄になっていた息子との繋がりを修復していき、カール自身の成長も描かれています。

肝心の酷評ブロガーにもキューバサンドを食べてもらい、その後の展開にまた胸が熱くなります。

ジョークを交えたコメディ要素も満載で、後半のロードムービー的な店舗の良い進行、陽気でポジティブな気持になり、仕事への矜持も感じられる素晴らしい映画でした。

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